欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

ホープフルステークス2022 どんなレースか調べてみたらいろいろ大変だった

こんにちは、欅並子です。

 

有馬記念も終わり、今年の競馬がすっかり締めくくられたような気分ですが、まだもうひとつのG1競走・ホープフルステークスが残っています。

有馬記念が終わって、まだ興奮も覚めやらぬ感のある月曜日ですが、次のレースがいつもと違って水曜日に開催されるということなので、ちょっと大急ぎな感じでレースの確認と、注目馬のおさらいをしていかなければいけません。

そして、レース当日も平日で、我が家的にはまだ年末年始休暇に入っていない普通の日なのですが、とりあえずG1なので時間になったらテレビの前に座るようにしようかなと思っています。

有馬記念の後でいまひとつ気が抜けたまま迎えてしまいがちなホープフルステークス。ここ20年ほどの間、あまりちゃんと競馬を見てこなかったわたしにとっては、そんなレースあったっけ? え、G1なの?ってぐらい印象が薄かったりもします(失礼)

良い機会なので、今日は「ホープフルステークスってどんなレースなのか?」しっかり勉強してみたいと思います。

 

ホープフルステークスがホープフルステークスになるまでの紆余曲折

ホープフルステークスは、1984年に創設された「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス」を前身としています。牝馬のレースだったんですね。開催競馬場は阪神、距離は芝1,600メートルでした。

当時は暮れの時期に3歳(現2歳)の頂点を決めるレースとして西で「阪神3歳ステークス」、東で「朝日杯3歳ステークス」がそれぞれ牡牝混合で行われていました。

しかし、混合レースではなかなか牝馬が勝つことは難しいため、同じくらいの時期に牝馬限定の3歳(現2歳)戦をということで、西に「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス(阪神)」、東に「テレビ東京賞3歳牝馬ステークス(中山)」が創設されました。

その後、2歳の頂点を決めるレースを、牡馬は牡馬、牝馬は牝馬でそれぞれ開催することに方針が変わったときに「阪神3歳ステークス」は「阪神3歳牝馬ステークス」に、「朝日杯3歳ステークス」はレース名はそのまま牡馬・セン馬限定のレースになったのは、先日ジュベナイルフィリーズの予習編でも書きました。それが1991年のことです。

その際、同時に「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス」は「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」とレース名を変更、出走資格も牡馬・セン馬限定と大幅に改められました。また、距離もこれまでの芝1,600メートルから芝2,000メートルに延長されました。

(一方、中山の「テレビ東京賞3歳牝馬ステークス」はそのまま牝馬限定戦として残ります。レース名はその後1994年に「フェアリーステークス」と改められます。

フェアリーステークスは、現在では1月に行われ、3歳牝馬クラシック路線の1戦として位置づけられていますね。)

1991年から暮れの阪神で開催されるようになった「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」は牡馬・セン馬限定レースでしたが、2000年からは牝馬も出走できるようになりました。さらに、2001年には馬齢の表記の変更に伴い名称を「ラジオたんぱ杯2歳ステークス」に変更。

さらにさらに、2004年に「ラジオたんぱ」が「ラジオNIKKEI」という呼び名に変わったことに合わせて2006年からは「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」という名称になりました。

そうして長らく阪神の芝2,000メートルで開催されていたラジオNIKKEI杯2歳ステークスですが、2014年、朝日杯フューチュリティステークスが中山競馬場から阪神競馬場に開催競馬場を変更する時に、交換する形で中山の芝2,000メートルへと舞台を移します。

同時に、レース名を「ホープフルステークス」に変更。格付けはそれまでのG3からG2へと昇格します。(ラジオNIKKEIの寄贈杯はこのレースからは外れて、「ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス」に引き継がれました)このときにセン馬は出走できなくなりました。

その後、2017年にG1へと昇格。

やっと現在わたしたちが知っている「ホープフルステークス(G1)」になりました。

こんなにも紆余曲折あったレースってなかなか珍しいですよね。

G1に昇格してからはだいたい、曜日関係なく毎年有馬記念の後、12月28日に開催されていますが、2020年だけは有馬記念の前日である12月26日(土)に開催されていますね。これは、カレンダー的に有馬記念が12月27日(日)になってしまったので、わざわざ28日にやって3日間開催にするのは避けて、普通の土日開催の中でやってしまうことにしたって感じかな。

とりあえず、「12月28日にしっかり固定」というわけでもなさそう。

そんな、ホープフルステークスです。

 

どんな馬が勝つの?

ホープフルステークスがG1に昇格してからは、朝日杯フューチュリティステークスは2歳マイル王決定戦なんて呼ばれるようにもなりました。わたしは個人的にはその呼び方はなんかちょっと違う感じがしていますが。

距離適性によってレースを選択できるようになったことは確かですが、あくまでも2歳時点での「得意」であって、3歳以降に主戦場とする距離とは必ずしも結びついていない感じです。どちらのレースからもその後のダービー馬は出ていますし、どちらが「2歳最強」なのかもこの時点で決めるのは難しいですよね。

ホープフルステークスがG1に昇格する以前は、最優秀2歳牡馬といえば朝日杯フューチュリティステークスの優勝馬が受賞するのが当然の流れでしたが、2017年以降の5年では、朝日杯勝ちが3回、ホープフル勝ちが2回受賞しています。

傾向としては、どっちのレースを勝ったかということよりは「無敗」で2歳の年を終えたかどうかが大きいように見受けられます。

ホープフルステークスのここ5年のデータによると、優勝馬は全て芝1,800メートル以上のオープンまたは重賞で2着以上の結果を残しています。具体的に言うと、5頭のうち4頭は前走、東京スポーツ杯2歳ステークス(G2・芝1,800)か萩ステークス(OP・芝1,800)のどちらかを勝っていて、1頭だけ、昨年の優勝馬・キラーアビリティだけは萩ステークス2着からの勝利でした。

ちなみに昨年このレースで1番人気になったのは、コマンドラインという馬だったのですが、新馬とサウジアラビアロイヤルカップ(G3)、いずれも芝1,600メートルを勝ってこのレースに参戦していました。結果は12着。

キラーアビリティの2着に入ったのは、後に神戸新聞杯優勝・菊花賞3着となるジャスティンパレスです。この馬も、新馬と1勝クラスでどちらも芝2,000メートルのレースを勝ってから参戦しています。

やはり、前走が芝1,800メートル以上っていうのはすごく大事だと思います。

 

以上、ホープフルステークスの予習編でした。明日は、注目馬を挙げて予想につなげていきます。