欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

凱旋門賞2022を振り返る レース中継を見ながらわたしが考えたこと

こんにちは、欅並子です。

 

改めて、レースの感想

昨晩の凱旋門賞、お疲れ様でした。

残念でしたね。

わたしは専門的なことはあまりわからないで見ていますが、やはり今年も、最初から勝てる戦いではなかったんだな、という感じがしました。

今回挑戦した4頭が弱い馬だと言ってるわけではありませんし、日本の競馬のレベルが低いということを言いたいわけでもないです。

ただ、「これって全然別の競技やん」ってことを感じたということです。

日本の馬は、日本の競馬で素晴らしい結果を残してからしか凱旋門賞に挑戦できませんが、一方で、ひょっとして、日本の競馬で強い馬ほど凱旋門賞には向かないのかもとも思います。

その時点で、日本馬は地元ヨーロッパの馬よりも重い重いハンデを背負って凱旋門賞に出走しているということですね。

前日までの雨、そして当日もレース直前の大雨により馬場が悪かったということも言われていましたが、それは全ての馬にとって同じ条件なんですよね。

海外競馬評論家の合田直弘さんがグリーンチャンネルの番組の中で

「10月のフランスで雨が降るなんてことは、はじめからわかっていること。重馬場を言い訳にしているうちは、日本馬の勝利は遠い」

と言っていました。

とても厳しい言葉ですが、それはその通りなんだろうと思いました。

日本で圧倒的に強く、かつ、凱旋門賞でも勝てる。

そんな馬はできるのでしょうか?

わたしは応援することしかできないただのファンなので、これからも挑戦する人がいればそれを見守るだけです。

レース後のインタビューで調教師やジョッキーが口を揃えて

「日本では夜遅い時間に、たくさんの方に応援していただきありがたい」

と言っていたのが印象的でした。

日本からの応援は、本当に、挑戦者のみなさんの力になっているのでしょうか。

テレビの前で見ているだけの自分は、なんだかすこし、心苦しいような気持ちになってしまいました。

 

グリーンチャンネルの中継について

わたしは凱旋門賞でもパドック予想ができるかなと楽しみにしていたので、10時の「凱旋門賞中継」の番組開始時間からテレビの前でその時を待っていました。

しかし、カメラはなかなか現地の様子に切り替わらず、各馬の過去のレースや調教の映像を流しながらの解説陣の話を延々と聞く内容が続きます。

完全に個人の感想ですが、わたしは競馬が好きといってもそこまで掘り下げて予想をする方ではないので、だんだん興味が無くなってきてちょっと眠くなってしまいました。

カメラがようやく現地の映像に切り替わったのが22:45頃。発走時間が23:05で馬券の発売締切が23:03ですからその時点から予想をしようと思うとかなりタイトです。

しかも、画面に映し出されるのは、馬よりもむしろ人間ばかり。

カメラは馬主さんをはじめとする関係者や、ジョッキー・調教師の姿を中心に追っていて、周回する馬の姿は時々チラチラと映す程度です。

カメラが時々写すのは、日本馬の中でも最有力のタイトルホルダーの姿が中心で、あとは、タイトルホルダーの近くを歩いている他の馬がついでに映るぐらい。全く別の場所を歩いている馬だと、発走まで画面に一切映らなかったのもいたと思います。

そんな中で、わたしが思ったようなパドック予想をするのはやはり無理だったので、予想をするのは諦めて、馬券は日本馬の単勝を4点購入するだけにしました。

日本のパドックには固定のカメラがあって、全ての馬を大体同じ角度から平等に映すことができますが、さすがに、この日の為だけに現地入りしているグリーンチャンネルの数台のカメラで同じようなことをするのは難しいでしょう。

たとえば、オリンピックや各種スポーツのワールドカップなどではちゃんと国際映像が用意されていて、公式のわかりやすい映像が流れますが、競馬はいわゆる「スポーツ」の括りとはすこし違いますからね。その辺りは整備されないのかもしれません。

馬券を買うのでなく、ただ見てるだけならそれでもいいのです。

ただ、馬券を買うとなると、当日馬の様子を見てから派のわたしにとっては全く情報が足りません。

JRAも馬券を発売するのであれば、もう少し見やすい中継を用意してくれるといいのにな、と思います。

こんなことなら来年はもう、馬券は買わないでただ見るだけにしようと思います。

 

そういえば、先日書いた記事(凱旋門賞2022 レース中継を楽しむために知っておきたいことをまとめました)の中で、馬の体の特徴や馬装・勝負服の種類を事前に調べてまとめておいたのは役に立ちました。パッと映った時にどの馬なのかわかったし、レース中も各馬の位置取りも掴みやすかったです。

日本の競馬なら、帽子の色で大体のことはわかるのであまり気にしなくていいのですけどね。

全体的に言って、フランスがどうこうというより、日本の競馬って親切だよなーって思いました。

パドック終了のトマレの合図、本馬場入場は音楽付き、ファンファーレがあってゲート入り。

全ては観戦する人の見やすさのためのものですね。

馬のことを考えると、そんなもの、ない方がいいのかしら?

それとも、単なる文化の違いでしょうか。

いろんなことを考えた、凱旋門賞の夜でした。