こんにちは、欅並子です。
2022年10月16日(日)東京競馬場で行われた東京ハイジャンプ(J・G2)のお話です。
このレースにはオジュウチョウサンが出走するということで、大変注目されていましたよね。
当日、パドックはかなりの人混みになっていました。前のレースのパドックが終わっても人がコースの方へ移動せずにオジュウチョウサンの登場を待ち構えていました。
わたしも、ちょっと後ろからになりましたがオジュウチョウサンの写真は撮りました。
馬券は、いつものようにパドックを見て3頭選んで単勝を買いました。オジュウチョウサンはなんとなく違う気がして買いませんでした。
スタンドに移動してレースの開始を待ちながら、レーシングプログラムをなんとなく読み込んでいたら、ある馬のところで目が釘付けになりました。
ダイシンクローバー。
母の母の名前に注目。
えっ、あなた、ヒシナタリーの孫だったの??
ダイシンクローバーの母・ヒシディーバはヒシナタリーがアメリカで繁殖生活を送っていた時の仔なので、血統表の名前もHishi Natalieと英語表記になっています。
顔を上げると、ちょうど本馬場入場したばかりの各馬が目の前で何頭か固まって歩いていて、その中にダイシンクローバーもいました。
カメラを構えるのも間に合わず、ただ
「……あの子が、ナタリーの…孫…あわわ……」
と立ち尽くすしかありませんでした。
パドックで見てわたしが馬券を買った3頭の中に、ダイシンクローバーは入っていませんでした。
ダイシンクローバーは12頭立ての10番人気で単勝オッズ110.1倍です。
どうしよう?買い足す? 来るわけない? でも、来たら悔しいよね。
葛藤の末、同行者のプッシュもあって単勝・複勝100円ずつ買い足しました。
「来たら悔しいよね」に賭けたわけですね。
レースが始まり、わたしがパドックで選んだ馬たちも、みんなの注目を集めていたオジュウチョウサンも馬群に沈む中、1・2着の馬に大きく遅れながらも直線でグングン伸びて、3着まで上がってきた馬がいました。
あれは、ゼッケン7番緑の帽子。
「ぎゃー!ダイシンクローバー!来たーーー!!!」
そのままゴール。ダイシンクローバー3着です。
終わってみれば複勝1,240円、的中しました。
元々自分で選んで購入していた馬券は全部ハズレでしたが、ダイシンクローバーのお陰でこのレースをプラスにすることができたのでした。
10番人気の馬の単複なんて、普通ではなかなか買えないですよね。
たまたま、ヒシナタリーの孫だったから買えました。
こういうちょっとしたプレゼントがもらえるのは、長く競馬をやってきたご褒美みたいなものなのかもしれません。
ダイシンクローバーの母・ヒシディーバは中央競馬でデビューしたものの、3戦0勝で引退したという記録が残っています。
ヒシナタリーと同じ栗東・佐山厩舎に所属、2007年12月に阪神競馬場でデビュー。デビュー戦はナタリーの主戦もつとめた角田晃一騎手が騎乗しました。
なんて胸熱。
でも、その当時のわたしは自分自身の子育てに忙殺されており競馬どころではありませんでした。それもまた人生ですね。
ヒシディーバはその後2008年1月に小倉で走ったのを最後に引退したようです。ほんの2ヶ月しか走らなかったんですね。
ヒシナタリーに限らずですが、わたしは、最初に競馬にハマった頃に活躍していた馬の仔世代の活躍は自分の子育て期と重なってほとんど追うことができませんでした。
そのことを残念に思う気持ちはもちろんありますが、再び競馬に戻ってきた今、レーシングプログラムを眺めながら血統表の中に昔好きだった馬の名前を偶然見つけて、子孫たちを応援するのもまた味わい深いものだと思っています。
こんな風に、ぽろっと馬券取れたりするしね。
まあ、変に応援馬券を買っちゃって損をすることも多々あるんですけどね。
家に帰ってから、パドックで撮った写真をよく見ていたら、1枚だけダイシンクローバーが偶然写り込んでいる写真がありました。
もちろん、中心に写っているのはオジュウチョウサンだったんですが、トリミングしてむりやり大きくしてみました。
6歳のセン馬で、どこまで現役続行するかわかりませんが、それこそオジュウチョウサンのように障害競走ならある程度年を取っても長く活躍出来る可能性があります。
また競馬場で会えることもきっとあるでしょう。
今度はちゃんと顔を見させてね。