欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

中山グランドジャンプ2023 思い入れだけで語る1頭の注目馬

こんにちは、欅並子です。

 

わたしは障害競走のことはあまりよく知らなくて、障害の重賞があっても展望記事は今まで書いてこなかったのですが、今回は応援したい馬が出走するということで、少しお勉強してみたいと思います。

 

中山グランドジャンプは、元々は春と秋で年2回行われていた中山大障害の、春のほうだけ名称を変えて独立させる形で始まったレースです。

1999年に、障害競走改革の一環としてグレード制が導入された際に、中山大障害(春)から中山グランドジャンプという名称になってJ・G1に格付けされました。

「中山大障害」という名前は、中山大障害(秋)だったレースが引き継いで、J・G1として毎年12月に開催されています。

距離は、中山大障害(春)だった頃は芝4,100メートルで行われていて、中山グランドジャンプになってから最初の2回までは同じ芝4,100メートルでしたが、2001年の第3回からは芝4,250メートルに変更され、現在に至ります。

この競走の見所は、中山グランドジャンプと中山大障害でしか使用しない、中山競馬場の「襷コース」を使用するところです。

襷コースはレース中盤に2回、向きを変えて通過するのですが、1回目には「大竹柵」、2回目には「大生垣」という、通常のものより高さも幅も大きい障害物を飛越することになります。

障害飛越は全部で12回、バンケット(谷の上り下り)も5回通過するコース設定はもちろん国内最高峰の難易度で、「スタミナはもちろんのこと精神力も試されるレース」と言われています。

 

障害競走の世界では、ここ最近は長年にわたってオジュウチョウサンが絶対王者として君臨し続けてきました。

オジュウチョウサンが最初に中山グランドジャンプを優勝したのは2016年。それから2020年まで5連覇。2021年にはメイショウダッサイに一旦王座を奪われますが、昨年、2022年には再び優勝して王座に返り咲きました。

そんなオジュウチョウサンも昨年の年末の中山大障害(6着)を最後に引退。

ライバルだったメイショウダッサイもその一足先に引退を表明していました。

オジュウチョウサンやメイショウダッサイがいなくなった障害競走の世界を次に背負っていくのはどの馬か?

今回の中山グランドジャンプは、最初の王者を決めるレースと言えるでしょう。

 

そんな中山グランドジャンプで、わたしが注目する馬の話をしましょう。

 

ダイシンクローバー

予想オッズ単勝41.4倍、7番人気です。

このブログでも何度か触れてきましたが、この馬はわたしの競馬人生最愛の馬であるヒシナタリーの孫なのです。

ヒシナタリーは、2歳秋から4歳春までの短い競走生活の中で重賞を4勝した名牝ではありますが、G1では目立った成績を残せませんでしたし、産駒もあまり活躍しなかったので、彼女のことを覚えている人は少ないかもしれません。

ヒシナタリーが競走中に怪我をしたのは1997年4月19日のことでした。もう走れなくなるほどの大きな怪我で、彼女はそのまま引退してしまいました。

それからちょうど26年の時を経て、ヒシナタリーの孫がついにG1の舞台に立つというのは、なかなか感慨深いものがあります。

現在7番人気の評価ですが、この馬、案外強いんですよ。

ここ5戦、どんな相手でも掲示板外してない安定感。障害の飛越ももちろん上手なのですが、最後の芝の直線に入ってから、「あれ、平地のレースだったっけ?」って思うぐらい、それはそれは美しいフォームで伸びてくるのがダイシンクローバーの魅力です。

誰も覚えてないかも知れないけど、あれはヒシナタリーの末脚だとわたしは思います。

 

悲しいのは、今週土曜日に大事な用があって競馬場にも行けない、それどころか、テレビでもリアルタイムで応援できないことです。

でも、仕方ないですね。大人だから我慢するのです。