欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

JRAのマスコットキャラクター・ターフィーと、最近の競馬場

こんにちは、欅並子です。

 

突然ですが、これ、誰だかわかります?

 

この写真を撮影したのは、1997年。

職員の方たちの制服の感じからして、夏っぽいですね。

おそらく、宝塚記念の頃に阪神競馬場で撮った写真ではないかと思われます。

 

カメラを抱えて、ウイナーズサークルで表彰式が始まるのを待ち構えていたら、この子が目の前までやってきて、写真を撮って欲しそうに視線を送ってきたので仕方なく撮った写真です。

この子の名前は、ターフィーです。

 

え、これがターフィー?って思いますよね。

これは、先代のターフィーです。

ターフィーというキャラクターが誕生したのは、1989年のこと。それから2004年に現在の姿に変更されるまではこういう姿をしていました。

愛嬌はありますが、正直言ってあんまりかわいくはないですよね(笑)

よく子どもを泣かせていたという噂も聞きました。

 

旧ターフィーは、ディズニーのキャラクターデザインも手がけたことのあるアメリカのデザイナーの手によるもので、1989年9月から2003年末の13年ほどはこのデザインが使用されましたが、JRA発足50周年を機に2004年にサンリオとのコラボでデザインが一新されました。

先代デザインが13年ほどで終了したのに対して、現行デザインはまもなく19周年になりますから、やはり、今の姿のほうが「しっくり来ている」感が強いのでしょうね。

競馬場に行くと、至る所に新ターフィーが描かれたポスターが貼られています。

わたしも、今のターフィーはかわいくて好きです。

過去にはサンリオキャラクター大賞で上位に入ったこともあるそうで(といっても、最高で6位なので掲示板はハズしてますが)一般受けもする良いキャラクターと言えそうです。

 

さて、UMAJOの話を書いた時にも思いましたが、ここ最近のJRAの競馬場の雰囲気作りは、とてもよくできているというか、ずいぶんソツが無いなという感じがします。

喫煙場所はきっちり区切られて、タバコのにおいがしてくることもほとんどないし、地面にゴミが落ちていることも少なくなりました。

大レースに合わせてちゃんと花が咲くように手入れされた花壇があって、統一感のあるデザインの横断幕で綺麗に飾り付けされています。

 

 

わたしも、基本的には綺麗で洗練された競馬場は、居心地が良くていいなって思っています。だけど、一方で少しだけ、居心地が良すぎてちょっと落ち着かない感じがしてしまうときがあります。

 

コロナ禍になる前のことですが。

とあるレースで自分の買った馬が写真判定の対象になってしまったことがありました。

スタンド内のモニターで、入線時のスロー映像をじーっと眺めていたら、隣で同じ画面を見ていた、かなり年配のおじいちゃんに、

「お姉ちゃん、どっちか持ってんの?」

と、ものすごく自然に話しかけられましてね。

「わたしが持ってるのは、内のやつ。多分差されてるほう」

「そうか~、俺はどっちも持ってねーや(笑)」

ってな具合に、他愛もない会話をしました。

おそらく競馬場の外でなら絶対に接点を持ちようもないような人と、自然に会話が成立してしまう瞬間を、とても面白いと感じた記憶があります。

それは「なくてはならない」というほどのものではないかもしれないけれど、競馬場に行く醍醐味の一つではあったと思います。

コロナの影響で、ここ数年は、競馬場にネット予約なしで入場することすらできなくなりました。ただでさえ、高齢者は外出してはならぬと強く脅かされた時期が長く続いていたことだし、ひょっとしたらあのおじいちゃんもずっと競馬場に来られなくなっているかもしれません。そう考えるとかなり寂しい気がします。

 

競馬場の中に「かわいい」「映える」の分量を増やしてUMAJOを歓迎し、コロナの影響も手伝って客層がかなり絞られてしまった今の競馬場に、旧来の競馬ファンが戻ってこられる居場所はあるでしょうか。

この9月の開催からは、入場券の当日発売が再開されたようですね。

気さくなおじいちゃんたちも、また競馬場に戻ってきてくれるとうれしいです。