欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

牧場見学に行ったこと、ありますか?

こんにちは、欅並子です。

 

グリーンチャンネルで競馬を見ていると、レースの確定を伝える時、払い戻しの情報に入る前に、普通の競馬中継では伝えられないような細かい勝利馬のプロフィールを伝えます。

 

馬の両親と母父

兄弟や近親に活躍馬がいればその馬名

馬主の名前

生産者の所在地と名前

勝利ジョッキーの名前と今年の通算勝利数

所属厩舎の調教師の名前と今年の通算勝利数

 

ただ勝った負けただけでなく、こういう情報まで知ることができるのが、グリーンチャンネルの競馬中継の良いところだなと思っています。

この中でも、わたしは特に生産者の所在地と牧場名(もしくは生産者の個人名)を聞くのが好きです。

これは、過去に北海道の馬産地へ牧場見学に行った経験によるものかもしれません。

 

わたしが牧場見学に行ったのは25年も前のことなので、今と昔ではずいぶんと状況も変わっているのかもしれませんが、勝利馬の紹介の中で当時お世話になった牧場の名前が出てくると、その時のことを思い出してちょっと嬉しい気持ちになります。

 

ところで、いきなり余談なのですが、生産者の所在地で北海道の「新ひだか町」という地名がよく出てきます。自分にとってあまり馴染みがない地名だけど、どの辺かなあと思って調べてみたら、なんと、2006年に静内町と三石町が合併してできた新しい町だったのですね。

静内、三石と言われてみれば、わたしにもわかる、昔からおなじみの馬産地です。

特に、静内には「競走馬のふるさと案内所」という施設があって、牧場見学に行く人は必ず訪れるべき場所になっています。もちろん、わたしも「競走馬のふるさと案内所」に行きましたし、静内町内の牧場をいくつも見学させて頂きました。

合併があった時は競馬ファンの間では話題になったのでしょうけど、わたしが最も競馬に疎くなっていた時期なので知らずに過ごしてそのままになっていたようです。

 

さて。

わたしは、1997年9月と1998年8月に、2年連続で牧場見学に行きました。

思えば、当時はちょっとした牧場見学ブームだったような気がします。

競馬好きの仲間たちが、次々と牧場見学に出かけて、自分のWebサイトに見学記をアップしていました。

わたしもその頃自分のWebサイトを運営するようになっていたので、その流れに乗り、勇んで北海道へ旅に出たものでした。

こちらに今回アップしている写真も、当時のサイトに掲載していたものです。

画像のサイズが小さくてホント残念ですね。当時はこれでも精一杯だったのですけどね。

 

今も昔も変わらないと思いますが、生産牧場にとっては見学に来た客の相手をすることなど本業とは全く関係がない仕事なので、牧場見学って本来はお断りすれば良いものだし、受け入れているところは、もう純粋に「厚意」だけでやってくれているものです。

競走馬のふるさと案内所などで配られている注意書きも、なかなか厳しいです。

だけど、見学に行った先で出会った牧場で働く人たちの多くは、見学者に対してとても親切に優しく接してくれました。歓迎されているわけがないと思いながら行ったからこそ、温かいもてなしが心にしみました。

おかげさまで、今でもわたしはそのときのことを素敵な思い出として持ち続けることができています。

 

たくさんの牧場を訪ねて、数多くの馬を見てきましたが、中でも印象的だった出来事をひとつ。

 

移動中、通りすがりに見かけた馬の親子を、柵の外から「風景」として撮影していたわたしに、柵の内側から声を掛けてくれたおじさんがいました。

最初「勝手に撮影したらダメだ」って怒られるのかと思ってビクビクしたんですが、おじさんが言うには、「写真が撮りたいなら、柵の内側に入っても良いよ」と。

 

そのときわたしが望遠カメラで狙っていたのは、こちらの綺麗な栗毛の親子。

聞けば、お母さんは元関西馬でオープン勝ちもある馬で、仔馬は当時高額で輸入されて話題となったラムタラという種牡馬の初年度の産駒でした。

 

 

公式に牧場見学を受け入れている牧場は圧倒的に種牡馬の繋養先が多く、繁殖牝馬や仔馬を見せてくれる牧場は少ないです。

そりゃ、もしもの事故なんてあったら大変なことですしね。

だから、わたしもせめて柵越しにって思って、遠くから写真だけ撮って帰ろうと思ってたんですけど、そのときは放牧地の中まで入れてもらえて、間近で写真を撮らせてもらうことができてとてもラッキーでした。

 


仔馬って、めちゃくちゃかわいい。

そして、母馬は、ずっと草食ってる(笑)

 

こちらの牧場も、「競走馬のふるさと案内所」で聞けばきっと「見学は受け入れていません」という話になるんでしょうが、たまたま、巡り合わせですね。

現地に行くと、こういうことが、たまにあります。

もちろん、それを期待して行くというものではないのですけど。

 

わたしは、馬券なんかは全然当たりませんが、不思議な巡り合わせで普通では入れない区域に入らせてもらえるチャンスが転がってくることは時々あります。

何の運なのかわかりませんが、こういう運があるということは大事にしなきゃいけないかもなーっていうのは最近つくづく思います。

 

ここ数年はコロナ禍で、長いこと人の移動が制限されました。

牧場見学を取り巻く事情も今はきっと厳しくなっていることでしょう。

なかなか今の皆さんに大きな声でオススメしていいのか迷うところではありますが、馬が好きな方なら、やっぱり一度は行ってみるといいと思ってます。

また機会があれば牧場見学の詳しい話も書いてみたいと思います。