欅並子の馬ウマ日記

競馬歴28年で、東京競馬場が主戦の競馬ライター、欅並子(けやきなみこ)がいろいろ書いてます。競馬予想、競馬文化にまつわるいろいろな出来事を、私目線でレポートします。競馬って、馬券を当てる以外にもいろいろ楽しいこと、ありますよね!(馬券も当てたいけどね)ほぼ毎日更新。

共同通信杯2023 のちの活躍馬を多数輩出する伝統のレース

こんにちは、欅並子です。

 

今週予定されている重賞競走は3つ。その中で、今日は共同通信杯の「どんなレース?」を確認していきたいと思います。

 

共同通信杯

共同通信杯。うーん。字面をみてなんだか少し物足りない感がします。

シンプルすぎん? なんかもっとゴチャっとした名前じゃなかったっけ?

わたしの記憶によるとこのレース、「共同通信杯4歳ステークス」とかいう名前じゃなかったかと思うんですが。

そう、調べてみたところ、このレースはわたしの記憶通り、1983年から2000年までの間は「共同通信杯4歳ステークス」という名前で開催されていたのでした。

この「4歳」というのは、馬齢が国際基準に合わせて今の数え方になる前の旧式の表記で、現3歳のことです。

2001年に馬齢を満年齢で数えることになった時、レース名を「共同通信杯3歳ステークス」と改めるのではなく、後ろをサクッと取って「共同通信杯」としたようです。

元々は、1967年に「東京4歳ステークス」という名前で創設されたこのレース、1969年からは「トキノミノル記念」という副題がつけられて、現在もその副題は受け継がれています。

 

トキノミノルというのはは1951年に10戦10勝・無敗のままダービーを制覇した馬ですね。ダービーから僅か17日後に破傷風という病気で急死したことから「幻の馬」と呼ばれているそうです。

トキノミノルは多くの人に愛され、その栄光と死は競馬ファンのみならず一般社会にも大きな衝撃を与えたということです。Wikipediaで読んだだけですが、とても痛ましい話です。今から70年も前のこと、医学的こともトレーニング方法もまだまだ発展途上で、いろんなことが手探りだった頃のお話ですね。

考えてみれば、ダービーで10戦目というのも、今の感覚だとちょっとね。

現在、中央競馬のレース名に名前を残している馬は、シンザン・セントライト・ディープインパクト、そしてこのトキノミノルの4頭だけですが、トキノミノル以外は三冠馬ですから、サブタイトルとはいえ破格の扱いといって良いでしょう。

 

共同通信杯は、創設当初から春のクラシックへ向けた重要な前哨戦として位置づけられています。最初からほぼ毎年、2月中旬の東京競馬場で開催され、創設当初は距離は芝1,400メートルでしたが、第5回から芝1,800メートルのレースとなって、それ以来ずっと同じ距離で同じ2月中旬頃に開催されています。

わたしが「共同通信杯4歳ステークス」というレース名で刷り込まれているのは、1994年の優勝馬でのちに三冠馬となるナリタブライアンのお陰でしょう。

最近の活躍馬といえば、2022年優勝のダノンベルーガはその後皐月賞・ダービーに出走してどちらも4着。2着だったジオグリフは皐月賞を優勝しています。

また、一昨年2021年の優勝馬はエフフォーリア。

ダービーこそ2着に敗れるものの、この年に皐月賞・天皇賞(秋)・有馬記念と、3つのG1タイトルを手に入れています。ちなみに、この年ダービーを勝ったシャフリヤールは共同通信杯では3着でした。

このように、共同通信杯からは後の活躍馬がたくさん出ていますね。

今年もしっかり注目していきたいと思います。

 

近10年のデータによると、

 

  • 前走は条件戦(新馬か1勝クラス)
  • キャリア4戦以下
  • 大敗していない(2回以上4着以下になってない)

 

こういう馬の3着以内率が高くなっているようです。

前走は重賞とかじゃなく条件戦の馬のほうが結果が良いっていうのは意外ですね。

キャリア4戦以下と、あまり使われていない馬の方が良いのはこの前に見たクイーンカップのデータと同じ。これは、ここ最近の流行っぽい感じもしますね。

そして、「大敗していない」というのは、つまり少ない出走回数で重賞出走にこぎ着けることができているということなので、ある意味上のと似た意味にはなるのですが、例えば新馬で大敗して次走の未勝利で勝ったみたいなのはちょっと分が悪いということですね。

 

現時点で登録馬は13頭。牝馬限定は定員オーバーになってるのに対して、毎回牡馬の方は頭数少なめですよね。

登録馬が全部出てくると仮定して馬柱をふむふむと眺めていると、だいぶ候補は絞れてくるのかなって感じはしますね。

ただ、データはデータですから、今年同じとは限りません。

注目馬については、もうすこしレースが近づいてから改めてじっくり書きたいと思います。