こんにちは、欅並子です。
菊花賞の興奮冷めやらぬ月曜日ですが、少しずつ気持ちを天皇賞モードに切り替えて行きたいところです。
みなさんは「ベストターンドアウト賞」ってご存知でしたか?
ベストターンドアウト賞とは、『最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩務員』の努力を称え表彰するものです。
今週、天皇賞(秋)のパドックでもその審査が行われるそうです。
たまたま、JRA-FUNのサイトで競馬場のイベントについて調べていたらこの情報にたどり着きました。
ベストターンドアウト賞は世界の主要G1レースで実施されているもので、日本では2013年のダービーから始まってクラシック競走を中心に表彰を行っているそうです。
今回は、天皇賞(秋)のパドックでその審査を行う、とのこと。
調べてみると、G1の時にはちょくちょく審査を行っているようです。
たとえば、昨日阪神競馬場で行われた菊花賞では、シェルビーズアイ・奥昌樹厩務員(武英智厩舎)が受賞したとのこと。
また、東京競馬場では、今年のオークスの時にはアートハウス・松崎圭介調教助手(中内田充正厩舎)受賞したとの記録が見つかりました。
「ベストターンドアウト賞」でWeb検索をしようとすると検索ワード候補として「勝てない」という言葉が出てくるので、少しぎょっとしてしまったのですが、昨年の天皇賞(秋)のパドックで行われた審査では、優勝馬のエフフォーリアがベストターンドアウト賞も受賞していたことがわかりました。
なので「勝てない」ということはもちろんありません。
先日当ブログでもご紹介した「サラブレッドに『心』はあるか」という本の中でも、「強い競走馬を育てる上で大切なのは、仔馬がこの世に誕生してから成長していく過程で、いかにしっかりと人間との信頼関係を築くかということだ」というようなことが書かれていました。
牧場で生まれたサラブレッドの仔馬は、生まれてすぐの頃から常に人と暮らしを共にし、身の回りの世話をされます。そうすることで人に慣れていくと共に、人に対して従順であることが自らにとって快適であるということをしっかり学んでいくのだそうです。
強い競走馬になるためには、世話する人が日頃から丁寧に手を掛け大切に世話をし続け、強固な信頼関係を築いていく必要があるからです。
つまり、出走馬の中でもっともよくターンドアウトされた(=人との信頼関係がしっかりできてよく手入れされている)馬は、強い競走馬としての条件も兼ね備えているということですね。
もちろん、G1の大舞台に出てくるほどの馬たちの中から選ぶわけですから、どの馬が選ばれてもおかしくないのですが。
実は、今週の天皇賞(秋)に出走を予定している馬の中に、海外のG1レースでベストターンドアウト賞に輝いたことのある馬がいます。
それは、シャフリヤール(大當孝浩助手・藤原英昭厩舎)です。
シャフリヤールは、今年6月15日にイギリスのアスコット競馬場で行われたプリンスオブウェールズステークス(G1)に出走した際にベストターンドアウト賞を受賞しました。競走の結果は4着でしたが、遠征先の慣れない土地でそのように評価されたというのはとても素晴らしいことです。
シャフリヤールが、天皇賞(秋)でベストターンドアウト賞の英日2冠を達成するかどうかも注目していきたいと思います。
もちろん、レースの方でも注目すべき1頭ですよね。