こんにちは、欅並子です。
パドックはお好きですか? わたしは、好きです。
というか、最近は予想するときパドックしか見ません。
それで当たるか当たらないかって言われると、まあ、あんまり当たらないのですが、パドックを見ないで買うよりは見てから買う方が全然確率が良いので、それなりにパドックの様子から得た情報は役に立っているのではないか、という気がしています。
(なんて回りくどい言い方なのでしょうか)
競馬場に行けばもちろんほぼ全てのレースでパドックへ足を運びますし、家でテレビ観戦する時もパドックのコーナーを外すことはできません。
コロナの影響で競馬が完全無観客開催になった時から、グリーンチャンネルが競馬の開催を無料放送するようになりました。再び観客を入れるようになってからも、午前中のみ無料放送を継続していて、有り難く視聴させて頂いている次第です。
グリーンチャンネルの競馬中継の良いところはたくさんありますが、中でもわたしはパドックをしっかり見せてくれるところが気に入っています。
グリーンチャンネルでは、各競馬場にごとにパドック解説者の方がついていて、全てのレースに出走する全ての馬に対して必ずコメントをすることになっています。
「ちょっと腹回りがぼてっとしてますね」
「少し元気がないですね」
「馬体は増えてますが、成長分ですね。太くはないです」
「集中して歩けています」
など。
さらに感心するのは、
「この馬は前走こんな感じでもよく走ったので大丈夫です」
「パドックではいつもよく見せますね」
などと、その馬の過去のパドックの様子を覚えていて、その比較で良いとか悪いとかまで言えるところです。
パドックの見方は、「横の比較と縦の比較」と言われます。
横の比較とは、一緒に出走する他馬と比べて良いか悪いか。
縦の比較とは、その同じ馬が前走や前前走と比べて良いか悪いか。
横の比較はその場でもできますが、縦の比較が出来るようになるには、それなりの勉強と記憶の蓄積が必要で、より専門性が高いことだと思っています。
さて、そんなパドック解説者のみなさんのことを、わたしは尊敬と親しみを込めて「パドックおじさん」と呼んでいます。
彼らは知識があり経験豊富なのはもちろんなのですが、見たことを即座にわかりやすく視聴者に伝える、表現力や語彙力、言語化する力が凄いと思います。
もちろん、おざなりになる場面もあるのですけど、時に、型にはまった言葉ではなく、オンリーワンの言葉を繰り出す瞬間に出会えると、なんか得した気分になります。
ここ最近で一番びっくりしたのは、
「この馬は……かわいいですね」
と言い切った、競馬ブック・米満浩生氏の解説。
「競走馬というよりはペットみたいですよね。これから勝負しに行くって感じではないですね」
気分良さそうに歩いていて馬体の見栄えも良い、一見すれば良さそうな馬でした。
多分、人気もそう低くはなかったハズです。
でも、その馬、本当に馬券圏内には来なかったんですよ。
いや、ほんと凄いわ。
思えば、わたしのパドックおじさん好きは今に始まったわけではありませんでした。
関東に転厩する前、関西に住んでいた頃はわたし、KBS京都の競馬中継がお気に入りだったのですが、多分日曜の担当だったかな、スポーツニッポンの井上泰司氏の解説が大好きでした。
この方も、芸術を感じるような語彙と表現で競馬を語ることができる解説者ですね。
わたしのパドックおじさん好きの原点はきっとこの方にあるといって良いと思います。
井上泰司氏の名前を正確に思い出すために、「競馬 井上」で検索したら、こんなサイトが出てきました。
井上氏はスポーツニッポンは退職されて、今は大阪は梅田のカルチャースクールで競馬の講座を担当されたりしているようです。
きっと、めちゃくちゃ面白いに違いないです。まだ関西にいたら、わたしも受講したかもしれないですね。
長引くコロナ禍で、グリーンチャンネルでパドックを見ながら馬券を買うことを重ねるうち、馬券の予想があまり当たらないのは相変わらずなのですが、だんだん「パドックおじさん」たちとは気が合うようになってきました。
つまり、彼らが高く評価しそうな馬を、わたしも「良い」と思えるようになってきた、ということです。
それでも馬券がそれほど当たらない、ということは、つまりどういうことなのかな?
まあ、それは深く考えないようにしましょうか。